最終更新日 2020年11月20日 by auroot
アメリカ大統領選挙は日本で行われる選挙とは仕組みが異なります。
投票権を持つのは有権者登録されたアメリカ市民で、18歳以上にならないと登録できません。
日本では選挙権を持つ年齢に達すると自動的に投票権が郵送されますが、アメリカでは有権者登録しなければ投票する権利を持たないことになります。
投票権ですら自分の力で獲得するという国民性が現れており、もちろん登録しても投票には行かないという人もいます。
日本では投票用紙に選んだ候補者名を書き込むので、漢字を間違えないようになどの注意を払う必要があります。
アメリカの投票用紙は名前が既に印刷されており、マルで選択する方式をとっています。
大統領選挙だけでなく連邦下院議員選、州によっては連邦上院選や州知事選なども行われるため、様々な候補者を選び時間がかかります。
11月の第1月曜日の翌日の火曜日が投票日と法律で決められており、それぞれがアメリカの大統領にふさわしいと考える人に投票します。
アメリカ大統領選挙を複雑にしているのは、総得票数では争わないという点です。
アメリカは50の州で成り立っており、合衆国のことは州の代表者たちが決めるという基本ルールを持っています。
よってそれぞれの州が1人だけ大統領にふさわしい人物を選出するため、どれだけ僅差であっても勝者が州が持つ全ての選挙人の数を獲得します。
有権者たちは候補者の名前にマルを付けるので直接選んでいるような気分になりますが、実際は州ごとの勝者を選んでいるに過ぎません。
選挙人の数は州の人口によって異なり、全538人の選挙人の中から過半数を獲得した人物がアメリカ大統領に就任します。
ほとんどの選挙が共和党と民主党の各指名候補が一騎打ちする形となりますが、党公認の候補者は2人だけではありません。
立候補はしても2月から夏にかけての予備選挙で脱落し、残るのが共和党と民主党の候補者という流れです。
共和党と民主党の支持者は州や人種、宗教などで大きな隔たりがあります。
一般的に共和党は保守的で民主党はリベラルといわれ、8年ごとに政権が入れ替わることが多いです。
18世紀~19世紀にアメリカに移住し先祖から長い歴史を受け継いだ人々は、南部や南西部に暮らしていることが多いので共和党が優勢とされます。
反対に民主党支持者が多いのが西海岸や東海岸で生活する人々です。
彼らは20世紀頃に移住し、グローバリズムの精神が強く金融業界やIT業界で活躍しています。
かつてヒスパニック系はリベラルに偏っていましたが、それは親の代のことであり子どもや孫の代になった現在ではヒスパニックでも共和党を支持する人が少なくありません。
4年に1度行われるアメリカ大統領選挙は合衆国の人々にとって、とても盛り上がるイベントとしても知られています。
ブックメーカー各社はオッズを公開し、大統領選挙の結果を賭けの対象とします。
アメリカだけでなく世界中の人々が結果を予測し、好きな候補者に賭けています。
個人で楽しむブックメーカーに留まらず、世界では為替市場が大きく動くのも特徴的です。
選ばれた大統領によっては米ドルが安トレンドあるいは高トレンドに転換するため、関連銘柄の売買を検討しなければなりません。
アメリカは世界での影響力がとても強く、大統領が継続するか変わるかで経済さえも動かしてしまいます。
多くの人を巻き込むアメリカ大統領選挙は、混乱を招くのがほとんどです。
不正投票があったなど裁判沙汰にならなかったことがないほどで、それだけ人々の生活がかかっていることが分かります。
日本人は政治に無関心な傾向がありますが、アメリカ人は自分たちで選ぶという意識がとても高いです。